人手不足は、多くの企業が直面している経営課題の1つです。
少子高齢化による労働人口の減少に加え、働き方や価値観の変化などを背景に、人材の確保は年々難しくなっています。
人手不足が続くと、サービス品質の低下や売上機会の損失、従業員の離職率増加など、企業経営にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。
そのため、採用活動だけでなく、労働環境の見直しや業務効率化など、複数の対策を講じることが大切です。
本記事では、人手不足が進む理由や問題視されやすい業界、企業へ与える影響を解説するとともに、人手不足の解消に向けた具体的な対策を紹介します。
人材確保に課題を感じている企業の採用担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
※この記事は2026年7月1日時点の情報をもとに作成しています。最新の内容や詳細は、各サービス・アプリの公式サイトにてご確認ください。
人手不足が進む理由
人手不足が進む背景には、少子高齢化による労働人口の減少だけでなく、企業と求職者のニーズの変化や働き方に対する価値観の多様化などのさまざまな要因があります。
ここでは、人手不足が進む主な理由について解説します。

少子高齢化による労働人口の減少
少子高齢化は、人手不足が深刻化している大きな要因の1つです。
総務省の人口推計によると、2026年2月1日時点の15~64歳人口は7,342万7千人で、前年同月より12万1千人減少しています。
生産年齢人口が減少するなか、企業が必要な人材を確保することは今後さらに難しくなる可能性があります。
そのため、新卒採用や若年層の中途採用では企業間の競争が激しくなっており、人材確保が以前より難しくなっています。
また、団塊世代をはじめとするベテラン人材の引退も進んでおり、長年培われた知識や技術を引き継ぐ人材の不足も課題となっているのが現状です。
企業と求職者のミスマッチ
求人を掲載しても応募者が集まらない、あるいは応募があっても採用につながらないケースも少なくありません。
その背景には、企業が求めるスキルや経験と、求職者が持つスキルとのミスマッチがあります。
企業によるDXやAIの活用が広がるなか、デジタル技術を活用して業務や事業の変革を進められる人材の確保・育成が課題となっています。
IPAの「DX動向2026」でも、DXやAIに関連する人材の不足状況が調査されており、必要な人材を社外から採用するだけでなく、社内で育成する視点も求められています。
特に専門性の高い職種では、条件に合う人材を見つけるまでに時間がかかり、採用活動が長期化することもあります。
引用元:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「DX動向2026調査のポイント」
労働条件・働き方への意識の変化
近年は、給与だけでなく、働きやすさを重視して就職先を選ぶ求職者が増えています。
リモートワークやフレックスタイム制、短時間勤務など柔軟な働き方を希望する人も多く、企業には多様な働き方に対応できる環境づくりが求められています。
また、長時間労働の有無や休日数、福利厚生の充実度なども、応募先を選ぶ重要な判断材料です。
労働条件が求職者のニーズと合わない場合は応募が集まりにくくなるだけでなく、入社後の早期離職につながる可能性もあります。
人材を確保して定着させるには、採用活動とあわせて、労働環境や働き方を見直すことも大切です。
人手不足が問題視されやすい業界
人手不足はさまざまな業界で問題視されていますが、特に労働人口の減少や業界特有の働き方などを背景に、人材確保が難しい業界も少なくありません。
以下では、人手不足が問題視されやすい代表的な業界と、その背景について解説します。

建設業
建設業は、人手不足が深刻化している代表的な業界の1つです。
国土交通省の「国土交通白書2025」によると、2024年の建設業では55歳以上の就業者が36.7%を占める一方、29歳以下は11.7%にとどまっています。
就業者の高齢化が進むなか、若手人材の確保や技能の継承が課題です。
また、屋外での作業や重量物の運搬など身体的負担が大きいことに加え、高所での作業や重機の操作など安全面への配慮も欠かせません。
こうした労働環境が、人材の確保や定着を難しくする要因の1つとなっています。
引用元:国土交通省「国土交通白書2025 担い手不足等によるサービスの供給制約」
医療・介護業界
医療・介護業界では、高齢化の進行に伴い、サービスの需要が年々増加しています。
一方、身体介助や夜勤など身体的・精神的な負担が大きく、人材不足が慢性化している施設も少なくありません。
不規則なシフトや夜勤など勤務体系の厳しさから、従業員の負担が増え、離職につながるケースも見られます。
厚生労働省の推計では、介護職員は2026年度に約240万人、2040年度には約272万人必要になると見込まれています。
介護需要の増加に対応するため、安定した人材の確保は多くの施設に共通する課題です。
引用元:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」
IT・情報業界
企業のDXやAI活用が進むなか、IT・情報業界では専門知識を持つ人材への需要が急速に高まっています。
特に、システムエンジニアやプログラマーなどの経験豊富な人材は、多くの企業で求められており、採用競争が激しくなりやすい職種です。
高度な専門知識を持つ人材を育成するには時間がかかるため、人材不足が解消しにくい点も特徴です。
技術革新のスピードが速いことから、継続的な学習が求められることも、採用や定着を難しくする要因の1つといえるでしょう。
飲食・宿泊業
飲食・宿泊業でも、人手不足は深刻な課題となっています。
新型コロナウイルスの流行をきっかけにほかの業界へ転職した人材も多く、採用に苦戦する企業が増えました。
土日祝日や夜間勤務が多いことに加え、給与や労働条件を理由に応募者が集まりにくいケースもあります。
また、観光庁の宿泊旅行統計調査によると、2025年の外国人延べ宿泊者数は1億7,992万人泊で、前年から9.4%増加しました。
外国人宿泊者の増加が続くなか、需要を受け入れるための人材確保と業務効率化が求められています。
引用元:観光庁「宿泊旅行統計調査(2025年年間値・確定値)」
運送・物流業
運送・物流業では、EC市場の拡大に伴い配送需要が増加し続けています。
一方で、ドライバーの高齢化が進んでおり、若手人材の確保が大きな課題となっています。
長時間勤務や荷物の積み下ろし、再配達への対応など、業務負担が大きい点も人材不足の要因の1つです。
物流量が増えるなかで人員を十分に確保できない状況が続いており、配送体制の維持やサービス品質の確保に向けた対策が求められています。
人手不足が企業へ与える影響とは
人手不足により人員を十分に確保できない状態が続くと、サービス品質や売上、従業員の働きやすさなど、企業経営のさまざまな場面へ影響を及ぼす可能性があります。
ここでは、人手不足が企業へ与える主な影響について解説します。

サービスや製品の品質が低下する
人手不足が進むと、現場のオペレーションを十分に回せなくなり、対応の遅れや作業ミスが発生しやすくなります。
例えば、店舗では接客までの待ち時間が長くなったり、製造現場では品質管理が行き届かなくなったりすることで、サービスや製品の品質低下につながる可能性があります。
また、クレーム対応に多くの時間や人員を割くことで、本来注力すべき業務に十分なリソースを確保できなくなるケースも少なくありません。
こうした状況が続くと顧客満足度の低下を招き、企業への信頼にも影響を及ぼします。
その結果、新規顧客の獲得や既存顧客の継続利用が難しくなる可能性があります。
売上機会を逃す
人手不足によって受注やサービス提供に対応できなくなると、本来得られるはずだった売上を逃してしまう可能性があります。
例えば、IT業界ではエンジニア不足により新規案件の受注を見送るケースがあり、運送・物流業界ではドライバー不足によって配送依頼の受付を制限せざるを得ないこともあります。
需要があるにもかかわらず対応できない状況が続くと、顧客が競合他社へ流れ、売上や市場シェアの低下につながるでしょう。
人手不足が長期化すると、新規事業への投資や事業拡大が難しくなり、事業縮小や経営悪化のリスクが高まることも考えられます。
離職率が増加する
人手不足が続く職場では、一人あたりの業務量が増加し、残業や休日出勤が常態化しやすくなります。
業務負担が大きくなることで、心身の疲労が蓄積し、従業員の満足度や働く意欲の低下につながる可能性があります。
また、本来の担当業務に加えて、他部署の応援や人手が足りない業務を任されることに、不満を感じる従業員もいるでしょう。
その結果、離職者が増えると残された従業員の負担がさらに大きくなり、人手不足が一層深刻化するという悪循環に陥る場合があります。
こうした状況を防ぐには、新たな人材の採用強化だけでなく、既存の従業員が働きやすい環境を整え、定着率を高める取り組みも不可欠です。
人手不足の解消に向けた対策
人手不足は、採用活動だけで解決できるものではありません。
労働環境の改善や業務効率化、既存社員の育成など、複数の対策を組み合わせることで、人材の確保と定着につながります。
以下では、人手不足の解消に向けて企業が取り組みたい主な対策を紹介します。

労働環境を見直す
人材を確保と定着を目指すには、従業員が働きやすい職場環境を整えることが重要です。
リモートワークやフレックスタイム制、短時間勤務などを導入することで、育児や介護などと仕事を両立したい人も働きやすくなります。
有給休暇を取得しやすい体制を整えたり、残業時間を削減したりすることも必要です。
また、給与や福利厚生、評価制度を見直し、従業員の成果や努力を適切に評価できる仕組みを整える方法もあります。
求職者に選ばれる職場を目指すだけでなく、既存従業員の不満や負担を減らし、離職を防ぐ視点も持ちましょう。
従業員のキャリアアップやリスキリングを支援する
新たな人材を確保するだけでなく、既存の従業員の能力を高めることも、人手不足対策として有効です。
キャリアアップを支援することで、従業員のエンゲージメント向上や離職防止につながります。
また、自身の成長を実感できる環境は、仕事への意欲向上にも効果が期待できます。
リスキリングとは、技術革新や業務内容の変化に対応するため、新しい知識やスキルを習得する取り組みです。
例えば、AIやデータ分析ツールの活用方法を学ぶことで、資料作成やデータ分析などの業務を効率化でき、生産性の向上につながります。
ITツールやAIを導入する
ITツールやAIを活用することで、業務負担を軽減し、限られた人員でも効率よく業務を進められるようになります。
例えば、会計ソフトや電子契約サービス、文書のデジタル管理システムを導入することで、事務作業を効率化できます。
問い合わせ対応をチャットボットで自動化すれば、24時間対応が可能になるだけでなく、電話対応の負担軽減にもつながるでしょう。
業務効率が向上することで、残業時間の削減や新規案件への対応にも余裕が生まれ、人手不足による機会損失の防止が期待できます。
アウトソーシングを活用する
すべての業務を自社で対応するのではなく、外部サービスを活用することも有効な方法です。
経理やカスタマーサポート、発送業務などをアウトソーシングすることで、社内の人材を売上に直結するコア業務へ集中させられます。
また、専門知識を持つ人材へ業務を依頼できるため、即戦力を確保しやすく、採用や教育にかかる時間・コストの削減にもつながります。
限られた人員でも業務を効率よく進められるため、生産性の向上が期待できるでしょう。
多様な人材を採用する
採用対象を広げることも、人手不足を解消するための重要なポイントです。
シニア層は豊富な経験や知識を活かし、即戦力として活躍できる場合があります。
また、短時間勤務や週3日勤務などの働き方を用意すれば、子育て中の人や副業を希望する人など、これまで応募が難しかった層とも接点を持ちやすくなるでしょう。
人手不足の解消には、採用方法そのものを見直すことも重要です。
急な欠員や繁忙期など、一時的に人手が必要な場合には、必要なタイミングで人材を募集できる求人サービスを活用する方法もあります。
スポットバイトルは、短時間・単発の求人掲載に対応しており、必要な日に募集しやすいサービスです。
急な人員不足にも対応しやすく、採用担当者の負担軽減にもつながります。
人手不足の解消につながる手段として、スポットバイトルの活用をご検討ください。
まとめ
人手不足は、少子高齢化による労働人口の減少や企業と求職者のミスマッチ、働き方に対する価値観の変化など、さまざまな要因によって進んでいます。
必要な人材を十分に確保できない状態が続くと、サービス品質の低下や売上機会の損失、離職率の増加など、企業経営へ大きな影響を及ぼす可能性があります。
人手不足を解消するには、労働環境の見直しや従業員の育成、ITツールやAIの活用、アウトソーシングの導入など、複数の対策が必要です。
自社が抱える人手不足の原因を整理し、採用・定着・業務効率化のそれぞれの観点から、取り組むべき対策を検討しましょう。
人手不足の解消に向けて採用活動を見直したい方は、バイトルの無料相談の利用を検討してみてはいかがでしょうか。









