「2026年の最低賃金引き上げはいつ決定するのだろう」
「人件費が高騰するなか、企業としてどのような対策を打つべきか分からない」
アルバイトやパートを雇用する企業の採用担当者や経営者のなかには、このような悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
最低賃金の引き上げは、企業の人件費に関わる重要な課題です。
事前にスケジュールや見通しを把握し、早めの対策が求められます。
この記事では、最低賃金の引き上げに関する基礎知識や、2026年の引き上げ見通しについて解説します。
最低賃金を下回った場合のリスクや、企業が取るべき具体的な実務・人件費対策も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
※この記事は2026年4月14日時点の情報をもとに作成しています。最新の内容や詳細は、厚生労働省などの公式サイトにてご確認ください。
最低賃金はいつ決まる?
最低賃金は、ある日突然に決定されるわけではありません。
毎年決まったスケジュールで議論が進められ、段階的に決定していくプロセスがあります。
まずは、最低賃金引き上げに関する基礎知識として、決定から適用までの大まかな流れを把握しておきましょう。
例年7~8月ごろに「引き上げ額の目安」が決定
最低賃金の全国的な指針を示すのが、厚生労働省の「中央最低賃金審議会」です。
この審議会は例年7~8月ごろに、その年の引き上げ額の「目安」を提示します。
全国をA・B・Cの3ランクに分け、それぞれの引き上げ目安額を示すのが通例です。
つまり、最低賃金の大枠が決まるのは夏ごろとなります。
各都道府県の「地方最低賃金審議会」は、この目安をもとに地域の実情を踏まえて議論を行います。
その後、実際の引き上げ額と新しい最低賃金額が答申され、都道府県労働局長が最終決定する流れです。
なお、目安の決定においては、厚生労働大臣が中央最低賃金審議会へ諮問(意見を求めること)し、労働者の生計費や企業の支払い能力などを踏まえて各都道府県のランク別目安が話し合われます。
例年10月ごろから新しい最低賃金が順次適用
各都道府県で決定された新しい最低賃金は、官報公示(国による公的なお知らせ)を経て、例年10月1日~10月中旬にかけて順次適用(発効)されます。
具体的に適用される日時は地域によって異なり、全国一律で同じ日から一斉に適用されるわけではありません。
そのため、自社の事業所がある都道府県の発効日を個別に確認する必要があります。
複数の都道府県に店舗を展開している企業は、地域ごとの発効日を正確に把握しておくことが大切です。
2025年(令和7年度)の地域別最低賃金
直近の動向を把握する参考として、2025年(令和7年度)の引き上げ実績を振り返ってみましょう。
2025年も最低賃金は引き上げられ、全国加重平均は1,121円(66円引き上げ)となりました。
| 項目 | 都道府県 | 最低賃金時間額 | 引き上げ額 |
| 全国加重平均 | – | 1,121円 | 66円 |
| 最高額 | 東京 | 1,226円 | 63円 |
| 主要都市の例 | 大阪 | 1,177円 | 63円 |
| 引き上げ額最大 | 熊本 | 1,034円 | 82円 |
| 最低額 | 高知・宮崎・沖縄 | 1,023円 | 71円 |
昨年度までは多くの地方部で900円台が残っていましたが、今年度の改定により、最も低い高知・宮崎・沖縄でも1,000円台に到達しました。
日本全国のどこで働いても時給1,000円が保証される状況となっています。
全体的な傾向としては、都市部よりも最低賃金が低かった地方部の引き上げ幅が大きいのが顕著です。
特に東北や九州では70円以上の引き上げも見られ、地域間の格差是正が進んでいます。
企業にとっては、全国的に人件費が底上げされる流れが続いています。
2026年の最低賃金はどうなる?いつから適用される?
最低賃金は例年、同様のスケジュールで見直しが行われてきました。
2026年(令和8年度)はどのような動きになるのか、気になる方もいるでしょう。
ここでは、最低賃金引き上げの見通しと適用時期について解説します。
政府の目標と近年の推移から「引き上げは確実視」されている
政府の目標や近年の推移を踏まえると、2026年の引き上げは確実視されています。
現在、政府は「2030年代半ばまでに全国加重平均1,500円」という目標を掲げています。
長引く物価高騰の影響もあり、労働者の生活を守る観点からも賃上げの機運は社会全体で高まっている状況です。
また、近年の推移を見ても、全国的な「引き上げ基調」が鮮明となっています。
平成の不況期などには前年の金額が「維持(据え置き)」となる年もありましたが、現在の日本の制度において、過去に最低賃金が引き下げられたことは一度もありません。
特に、令和に入ってからは、毎年のように数十円規模の大幅な引き上げが連続しています。
この流れを踏まえると、2026年も同様に引き上げが行われる可能性が高いと考えておくべきでしょう。
2026年も例年どおり10月ごろからの発効が濃厚
特別な法改正や異変がない限り、2026年も例年どおりのスケジュールで進行するでしょう。
10月上旬から中旬にかけて、新しい最低賃金が順次発効される見通しです。
夏には目安額が発表されるため、企業は秋の改定に向けて、今のうちから計画的に準備を進めておく必要があります。
特に複数の拠点を持つ場合は、地域ごとの発効日を把握しなければなりません。
直前に慌てないように、早めの情報収集と対策の検討を始めましょう。
最低賃金を下回るとどうなる?
最低賃金の発効日以降に新基準を下回る賃金で働かせてしまった場合、企業は「最低賃金法」や「労働基準法」の違反によるペナルティを受けます。
具体的には、最大50万円の罰金が科されるケースもあるため注意しましょう。
また、未払い分の差額をさかのぼって支払う義務も生じます。
さらに、コンプライアンス違反として企業の社会的信用が低下し、今後の採用活動に悪影響を及ぼすリスクも軽視できません。
法令遵守は企業の義務であると強く認識しておきましょう。
最低賃金引き上げに向けて企業・人事担当者がやるべきこと
アルバイトの賃金にまつわる罰則やトラブルを回避し、秋の引き上げに適法に対応するためには事前の準備が欠かせません。
発効日までに人事担当者が完了すべき2つの実務タスクを確認しておきましょう。
現在の時給が新最低賃金を下回らないか確認する
まずは、現在の時給が新しい最低賃金を下回っていないか確認しましょう。
時給制の従業員だけでなく、月給制や日給制の従業員についても時給換算を行い、シミュレーションを行うことが求められます。
計算の際には、通勤手当や家族手当、精皆勤手当、残業代などは最低賃金の対象から除外して計算しなければなりません。
実務上の注意点を理解し、正確な計算方法で全従業員の賃金水準をチェックしてください。
改定内容を書面で明示し、就業規則の修正と周知を行う
給与改定が必要な従業員に対しては、発効日までに適切な書面で新しい賃金を明示しましょう。
労働条件の変更時における書面通知の義務はありません。
しかし、「言った・言わない」のトラブルを防ぐためにも、書面で明確に通知することが推奨されます。
具体的には、新しい時給を記載した「労働条件通知書」を改めて発行し、従業員へ変更を通知するのが一般的です。
また、就業規則や賃金規程に改定が必要な事項がある場合は、速やかに修正・届け出を行い、従業員へ周知してください。
対象となる従業員をリストアップし、漏れなく対応を進めましょう。
人件費高騰を乗り切るための採用・雇用対策
最低賃金の引き上げは、企業にとって人件費負担の増加に直結します。
企業の状況によっては、人件費の高騰が経営を揺るがす深刻なリスクとなりかねません。
ただ法律に従って給与を上げるだけでなく、限られた予算のなかで利益を確保するための抜本的な対策が求められます。
ここでは、人件費高騰を乗り切るために有効な採用・雇用対策を2つ紹介します。
業務改善助成金など支援策の活用
最低賃金引き上げに対応する中小企業を支援するため、国はさまざまな助成金・補助金などの支援を提供しています。
人件費の増加にともなう負担を抑えるためにも、こうした支援策の活用を検討するとよいでしょう。
たとえば、「業務改善助成金」は、事業場内の最低賃金を引き上げ、設備投資などを行った中小企業に対し、その費用の一部を助成する制度です。
従業員の賃金引き上げを目的とした、生産性向上のための取り組みが支援対象となります。
対象は中小企業に限られますが、賃上げと業務効率化を同時に進める手段として有効です。
制度の要件を確認し、自社で活用できるか検討してみてください。
必要な時だけ人員を確保する「スポット採用」への移行
人件費高騰への根本的な対策として、固定費となる常時雇用(シフト制アルバイトなど)の枠組みを見直すアプローチも有効です。
常に同じ人数を配置するのではなく、必要な時間帯に絞って人材を確保する考え方が求められます。
具体的には、ピンポイントに人材を確保する「スポット採用」への移行をおすすめします。
繁忙期など「本当に人手が足りない時間帯」に限定し、必要な時だけ人材を雇用するものです。
閑散期に余剰人員を抱える無駄をなくすことで、人件費の最適化につながります。
スポット採用・単発バイトの導入には「スポットバイトル」がおすすめ
人件費の最適化を実現する具体的な解決策として、ディップ株式会社が提供する「スポットバイトル」の活用がおすすめです。
1日単位や数時間単位で募集がかけられるバイトアプリで、高騰する人件費をピンポイントに抑えつつ、現場の即戦力不足を解消できます。
面接や履歴書による選考が必要なく、最短即日でマッチングが完了するため、採用担当者の工数削減にも貢献します。
また、「バイトル」の圧倒的な知名度による集客基盤を活用できるため、自社が求めるターゲット層へしっかりとアプローチできるのも強みです。
働きぶりが優秀な人材がいれば、双方の合意のもとそのまま長期雇用へ切り替える運用も可能です。
効率的な人員確保と確実な採用を両立する手段として、以下のWebページから詳細を確認し、ぜひ導入を検討してください。
まとめ
2026年の最低賃金引き上げも、例年どおり10月ごろの発効が濃厚です。
政府の目標や物価高騰を背景に、今年も大幅な引き上げが予想されるため、早めの情報収集と対応が求められます。
法令違反やトラブルを防ぐため、全従業員の給与水準チェックや給与改定の周知、就業規則の見直しといった対応を計画的に進めましょう。
人件費負担の増加は企業にとって避けられない課題であり、ただ給与を上げるだけではない抜本的な対策が必要です。
その有効な解決策として、必要な時だけ柔軟に即戦力を確保できる「スポットバイトル」の活用をぜひご検討ください。
スポット採用をうまく取り入れ、これからの時代に合わせた雇用戦略へアップデートすることで、安定した店舗・事業運営を実現しましょう。











